ロンドン大学のdistance learningでは、Subject guideという、各履修科目ごとに大学が用意した教科書に沿って勉強する。
8月に大学から製本が送られてくるが、学生用ポータルサイトでは、PDFが手に入る。
今は数学を勉強しているが、Subject guideの説明が非常にわかりやすい。自習用に出版されている、今まで見てきたどの参考書よりもわかりやすい。
わかりやすいだけではただの主観だが、それでもこのSubject guideで垣間見ることができるわかりやすさの追求からは、ロンドン大学通信の長い歴史を連想せずにはいられない。
University of London International Programmes(ロンドン大学通信)は1858年、ビクトリア女王から認可を受けた、世界初の通信教育機関である。
本通信機関からは、物理、経済、文学など、7人のノーベル賞受賞者を輩出している。7人のうちの1人は、平和賞を受賞したネルソン・マンデラ氏である。(元南アフリカ大統領。学位にはたどり着けなかったが、のちに名誉学位取得)
彼は27年ものあいだ投獄されていた。獄中で勉強していた彼を想像すると、彼の不退転の決意が伝わってくるようだ。
その他にも、多数の著名な学者や政治家、作家などを輩出している。
第二次世界大戦時は、多くの数の、戦場にいる兵士や、捕虜となった兵士も本通信課程を利用して勉強していたようだ。
現在も、世界中のさまざまな環境で生活している多数の学生が本プログラムで勉強している。
どのような環境にいても、向学心の火は消せない。150年以上の歴史がそれを示している。