ロンドン大学通信課程学生のブログ

2022/8 BSc in Mathematics and Economics 修了。2023/10〜 データサイエンス修士課程

2020-2021 session 開始

(今年もたぶん)新学期が始まるのは正式には秋なのだろうが、こちとらサラリーのためにあくせく働く勤労学生である。時間がない。待っている余裕はない。
もう6年目の勉強を始めている。
ロンドン大学6年生。

入学から現在までの進捗と予定を下記に示す。

 

【合格済み: 10は選択、他は必修】
1: Algebra
2: Calculus
3: Statistics 1(ハーフコース)
4: Statistics 2(ハーフコース)
5: Introduction to economics
6: Abstract mathematics
7: Microeconomics
8: Further linear algebra(ハーフコース)
9: Further calculus(ハーフコース)
10: Asset pricing and financial markets


【結果待ち:必修】
11: Macroeconomics

 

【今季履修予定科目:選択】

12: Machine learning

13: Elements of econometrics

12は昨年から学習を進めている。
今は5章で、高次元の場合の効率的なモデリングを通して回帰分析に深入りしている。


13は0章として統計学の基礎を復習したあと、1章の単回帰分析に進んでいる。1章も実際は復習だ。

学科の先生が指定参考書の著者なのだが、この参考書が噂に違わずわかりやすい。0章はグラフを多用してType-II エラーや中心極限定理などを明解に解説しており、とてもありがたかった。1章も引き続き丁寧な説明となっている。

初心者向けとは言えないが、基礎の復習としてはこの上ないマテリアルだ。


13はボリュームがある。

マクロ経済に時間をかけた分だけ余裕がない。

早朝勉強が再び習慣になっている間にスピード感を持って進めていく。

今年は13がメイン。土日含め週5日やる。12は今年も間に合わないかもしれないが、かまわん。

 

13は12の復習になるだろう。相乗効果が期待できる。

2019-2020 session 終了

5年目は下記の科目の期末試験を受験した。

 

【2019-2020 session】

Macroeconomics(必修)


これまで履修してきた中で最もインテリジェントかつ最も厄介な科目であるLSEのマクロ経済。
2年間勉強し続けた挙句、ついに試験ギリギリまで全く自信のないまま、とにかくできるだけたくさんの問題を解いて勉強した。赤点の可能性への恐れを抱きながらも、2年間勉強し続けた意地があって引くに引けない。
疲労が極限に達している状態ですがるようにして試験前に手に取ったのは、G. Polya の How to solve it (邦題 : いかにして問題をとくか)だ。目次の直後の What is the unknown ? から始まる問い掛け集と、Part 1の20 の A rate problem での教師の問いかけと生徒のレスポンスを何度も繰り返し読んだ。
それが功を奏した(ような気がする)ようで、実際の試験は落ち着いて論述と数式を展開し、引っ掛け問題にも引っ掛からず、また、初等レベルのグラフを細部まで利用し解答を練り上げて、なんとか配点93点分の問題を解いた。
70点取れていたらいいなと思えるくらい解いたのだから上出来だ。


試験結果はまだ先だから少々気が早いが、予定ではこれで経済学の科目は終わりとなる。

学位まで残り3科目。今学習しているのは計量経済学統計学)と機械学習の2科目。そして来年履修を予定している最後の1つは歴史科目だ。


当分経済学には関わりたくない。
だが、この先気持ちが立ち直ったら、まずは自分が属する「氷河期世代」が生きてきた時代の歴代政府の経済政策を自分なりにおさらいしてみたい。
してみたいというからには、すでに今の時点で少しずつ意識して「している」のだが、やはり今は食傷気味で頭がなかなか動かない。
時間を置いて、辿ってきた時代を見直してみて、それから自分なりの提言が少しでもできるようになりたい。その過程で勉強がまだ足りないと思うなら、その時はその時の自分の意思に従うまでだ。


How to solve it は今まで1回周りしか読破していない。
この本は3回ほど読み返して会得する価値があると思う。


f:id:New_Darkhorse:20200711103914j:image


ま、とにかくおつかれさん、俺。

 

 

 

来期への準備

いつもは5月に期末試験が行われるが、今年はコロナ禍のため、7月に延期となっている。

2019-2020 sessionの期末試験はまだこれからなのだ。

7月は1科目、Macroeconomics(必修)のみ受験する。

同時に履修していたMachine learning (選択)は次期以降に持ち越す。

 

Macroeconomicsは過去問3年分をやり終えた。

この科目が厄介なのは、出題範囲が広いことよりも、何を"assume"して論述するかを意識しないと思考が迷宮入りするところにある。

例えばFisher model: 消費理論ではconsumption はnormal goods で、この前提がないと income effect とsubstitution effect からの帰依について論述が進まなくなる。この前提の上で、saver とborrower の場合のincome effect をそれぞれ考慮して論述することになる。また、内容が現在から未来にかかる消費一般のような問題だから、前提を見失なっていると、いつのまにか「俺ならこうする」が、主観が、回答にまぎれ込んだりするのだ。

過去問は難しく、未だに自信が無いのだが、全く手に負えない状態からは脱している。

あと1ヶ月は週二で復習を進める。

 

Machine learningはベイズ推定の章を半年かけてやっと終えた。ベイズの定理がハイパーパラメータで拡張されて、今はもう頭が消化不良の状態だ。

次章は高次元の回帰分析。

来期でも間に合わないかもしれないが、間に合わす必要があるわけではない。ゆっくり消化して栄養を取ろう。

7月の試験までは週一、その後は引き続き週二で進める。

 

MacroeconomicsとMachine learning を同時に勉強するのは本当に辛かった。一度赤点を取った線形代数微積の時よりもだ。

明日からは来期に新しく履修する予定の計量経済学を週四で進める。7月の試験後は週五。

まずは1年目に学習した基礎レベルの統計学の復習から始める。

ちょうど良い骨休めになるだろう。

 

2年振りに起床を5時台に設定し、早朝勉強を再開した。やはり早朝は頭の働きが良い。

季節に関係なく早朝勉強を何年も毎日欠かさず持続できるような鉄人であったなら、今頃Macroeconomics も Machine learning も片付いてたかも。冬の朝は人生の厳しさを凝縮したように起きるのがつらい。

 

コロナ禍による期末試験延期

今期は下記の科目を履修している。

【2019-2020 session】

  1. Macroeconomics(必修)
  2. Machine learning (選択)


今季の期末試験は1だけだ。今は過去問を少しずつ解いている。

2は来期以降に持ち越す。もう半年近く同じ章(4章)のベイズ推定で停滞している。

 

試験は7月に、通常とは違う形式で行われる。指定の時間にポータルサイトから試験問題がダウンロード可能となり、ダウンロード後は答案をワードまたはキャプチャでアップロードせよとのこと。在宅テスト。

答案に対し文言の不正チェックを行うとしているが、そもそも捻った問題が出てくるだろうから、結局はきっちりと勉強して独創的な論述ができるようにするしかない。

 

延期になる旨は1ヵ月以上前に通知されていた。延期と聞いて気が緩んだせいもあると思うが、内容が難しくて1の仕上げがまだ終わってない。もし試験がいつもどおり5月だったら合格はあやしかっただろうな。

 

思えばそもそもこの1年間はロンドン大学の勉強に集中できていなかった。

職場では昇進が続き、以前よりも思考が仕事に侵食され、さらに政治や社会問題への関心も強くなり、その手の読み物に目を通す時間が増えた。

勉強しているときでも、心ここにあらずといった日が多かった。今日はこれまたひどい。デスクトップのデータ整理をしたりiPadをいじったりして勉強を全くしておらず、気づいたらもう午前2時だ。

こんなにゆったりしたGWは久しぶりだ。

 

1を仕上げてそろそろ来期の計量経済学の勉強に取りかからないないといけないのだが、どうにもやる気が出ない。

 

 

勉強の進捗20200322

今期は下記の科目を履修している。

【2019-2020 session】

  1. Macroeconomics(必修)
  2. Machine learning (選択)


1は昨年から勉強を続けており、今は巻末のサンプル試験を少しずつ解いている。

ほんとに少しずつだ。使う理論が何を前提としているのか、頭が追い付かない。

例えば貯蓄のパラドクス。つまり、消費の増加による投資の減少を短期では考えない。だからISカーブは右にシフトする。右にシフトするのであればあとはモデルに従えばいいのだが、そもそも投資の減少を考慮するから躊躇して先に進めない。そして再度参考書を読み直してやっと理解する。そんなことの繰り返し。

ちなみに、コロナ対策で取沙汰されている財政出動はISカーブの右シフトを意味する。

試験は今のところ例年通り5月の予定だが、コロナの影響で変更になるかもしれない。

 

2は今季の期末試験をあきらめた。まだ4章のベイズ統計をやっている。何ヶ月4章を勉強しているのか忘れた。少なくとも昨年からだ。

今季のこりも来期も週2日しか勉強しないつもりだから、来期も間に合わないかもしれない。つまり3年かかるかも。それでもいいや。

基本的なベイズ推定の計算のテクニックを身に着けつつある。今は淡々と計算問題を解いている。

 

どちらの科目も難しく、入学以降で今が最も進捗が悪い。

2は1よりも科目の難易度レベル設定が高い。色々な確率分布の密度関数の掛け算だから数式の見た目は厄介だ。ただ、見方を変えれば数学で片が付くとも言える。

上に挙げた理由で、1の方が難しい。

試験までに今より一段上目線でマクロ経済学を扱えるようになる必要がある。憂鬱だ。

 

 

生まれて初めて文春を買った。

赤木氏の自死後の役人達の反応と、以前勤めていた三下編集会社の無機質で閉塞的な職場の空気を若干リンクさせながら記事を読んだ。

驚きはない。驚くほど若くはないと言わせて頂く。

ただ、冷めた頭の奥底に、憎悪にも似た怒りを覚える。

ターニングポイントとなる首相答弁、改竄、失われた命、改竄したご褒美の大出世。

もはや犯罪集団と呼んでよい。

 

 

 

 

大学通信と俺

そもそも通学は自分に向いていない。
気持ちが浮かれて勉強が疎かになりがちだからだ。
通信は自分向きだと思う。

今はもう昔の(卒業した日本の)大学の2、3年生の頃の生活は、ざっと以下のようなザマだった。

  1. 昼起きる。またも1時間目に出られなかった。落ち込みながら原チャリで大学へ。軽音の部室前に行くとみんながタバコをふかしながら壁に不可解な落書きをして楽しそうにダラダラしている。同類の彼らを見て気持ちが立ち直る。
  2. 講義に一つ二つ出るともう夕方。ボウリング場に出勤して深夜までバイト。 
  3. 夜中の街を原チャで流す。軽音のバンドの練習でスタジオへ。
  4. 松屋で牛丼
  5. 明け方アパートに帰る。せめて2時間目は必ず出ると決心して寝る。
  6. 昼起きる。またもや午前中の講義に出られなかった。落ち込みながら原チャリで大学へ。部室に行くとみんながタバコをふかしながらヘンテコな打楽器とギターで前衛的な雑音を発して楽しそうにダラダラしている。時はオルタナティブの頃。同類の彼らを見てなんだか気持ちが立ち直る。
  7. 講義に一つ二つ出るともう夕方。部室前で暇を持て余していた連中と共にコンビニで麒麟淡麗とツマミを買って後輩の家に行く。
  8. 先輩後輩問わず部活関係者にいたずら電話するなどして遊びながら明け方まで飲んでいつのまにか雑魚寝。
  9. 1に戻る。

楽しかった学生時代。
だが勉強については、卒研で優を取ったし周りの連中よりは頑張っていたという自負がありつつも、もっと努力すべきだったと後悔している。

ちょっと前に学生時代の後輩と飲んだ。
彼は大学時代の夢を時折見ると言っていた。夢の中でダブる(留年する)のだと。
自分なりの解釈を彼に伝えた:
「明け方酔い潰れて午前中の講義に出られなかった怠惰な日々の積み重ねが揺るぎない自己嫌悪となって永久に夢の中で襲いかかり続けるのだろう。」

彼が毎度のように酔い潰れていたことについて、よく一緒に飲んでいた自分にも責任があることはいちいち触れなかったが。彼は酒に弱く、こっちは強かった。


彼は実際に1年ダブったから、彼の夢は夢であって夢ではないのだが、ダブらなかった自分も実は同様の夢を卒業後に何度も見た。

そんな自分も今や毎月無遅刻無欠勤・皆勤賞のサラリーマン。通学より通勤の方が得意だ。
そして、いつしか同様の夢を見ることが無くなった。いつ頃から見なくなったのかまるで記憶が無いが、少なくとも4年以上にはなる。

きっと、ロンドン大学通信の勉強を頑張っているからだろう。

 

2019年終わり

マクロ経済学の勉強はあと2章を残すのみ。

昨年から少しづつ進め、やっと終わりが見えてきた。
最後の2章は金融と財政の政策についてなので、これまでの総まとめとなる。

今は先に進むのを中断し、AD-ASモデルのあたりから復習をしている。復習しないまま先に進むと非効率になると考えたからだ。
試験はいつもどおり5月。間に合う。
 
ロンドン大学に入学する前に買った「西部邁の経済思想入門」を読んでいる。

f:id:New_Darkhorse:20191231125808j:plain



経済学の入門書と勘違いしてこの本を買った当時は1/3くらい読んだあたりであまりに難しいので嫌になってやめてしまった。
ミクロとマクロの大半の勉強を終えた今はスラスラ読める。
半分読み終わった。
学習範囲外で(あると思われ)わからない箇所もあるが、可能なかぎり時代の思想をかみ砕きながら要点をうまくまとめてあるおかげで、経済学の基礎を一通り勉強してあれば滞りなく読み進められる。
経済思想という重い内容を簡潔な文章に仕上げるあたりはさすがだ。これほどのインテリは稀有ではなかったか。
 
クラシカル、ケインジアンおよびネオクラシカルそれぞれの学派による解釈を数式とグラフで学習してきたのだが、知識・技術ばかりに目が行って、それぞれの時代的背景、または時代の思想が意識の中で置いてけぼりにされてきた。
経済学に限ったことではないが、どんなに肩書きが立派でも、背景の歴史とその思想を見ない奴にはろくなのがいない。
だから、学習の補完として4年間放置してあったこの本を手に取った。

せっかく買っておいて長年読まずに置いといた本を読むと心が軽くなる。
 
機械学習は今季に間に合わせるのを諦めた。(だからマクロ経済学は今季間に合う。)2年がかりで仕上げる。
事前予測をベータ分布で取り、経験を二項分布で取り、事前予測と結果を基にした確率をベータ分布で取る。
統計学の学習の初期の段階で学んだベイズの定理の奥深さに今更ながら驚いている。
昨季まで勉強していたFurther calculus のおかげで、ベータ関数が来ようがガンマ関数が来ようが動じることはない。
 
来年はマクロ経済学を仕上げ、機械学習計量経済学の勉強を進める。
 
職場では良い調子だ。
今年はRPAで年間300時間以上の工数削減に成功した。
来年は、今年中に仕掛けたプロジェクト達が大きく動くだろう。
そこに、ロンドン大学で学んだことをうまく乗っけていきたい。
 
偏狭な世の中の空気にも良い変化が訪れてきているように感じるこの年末。
来年はどうもいい年になりそうだ。 

-------------------------------------
本ブログをちょくちょく見ていただいている皆様、訪問頂きありがとうございます。

来年もどうぞよろしくお願いします。

それではよいお年を。