ロンドン大学通信課程学生のブログ

2022/8 BSc in Mathematics and Economics 修了。2023/10〜 データサイエンス修士課程

ロン大通信と統計検定2級


ロンドン大学通信の経済学の初年度の必修科目に統計学がある。
学習の一環として、また、勉強のペースを上げる目的で、11月29日の統計検定2級(大学教養レベル)を的にした。
試験から1ヶ月が経ち、結果がWeb上で発表された。

【合否結果】
合格

【結果について】
点数は良くない。おそらくギリギリ合格ライン。
初年度のロンドン大学通信教材Subject guide(以下SG)は、統計検定2級の出題範囲全てはカバーしてない。
だから、コレログラム、ローレンツ曲線、ジニ系数などは全く勉強してない。
カバーできている範囲についても、過去問より難しいと思った。
現在までのロンドン大学通信の勉強の成果を示すことができたという点において、合格できて嬉しい。


以下、現在までの統計学の勉強全体について示す。


統計学の学習期間(今年から開始)】
・2月~5月頃: 無目標完全独学期間
・8月~11月: ロン大通信期間
・11月最後の週: 統計検定2級対策期間

【使用した教材】

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番号は使用順。⭐はメインで使用した教材。

2月~5月:
1: 高校数学でわかる統計学
2: 数学読本 4
3: 数学読本 6
4: 統計学入門

8月~:
5: Statistics 1(SG)⭐
6: Statistics for Business and Economics
7: Statistics 2 (SG)⭐
8: 統計学基礎(統計検定主催団体教本)
9: 統計検定2級公式問題集2011~2013
10: 統計検定2級公式問題集2012~2014



【学習の過程】
2月から5月頃までは確率の復習以外、たいした勉強をしていない。あくまで8月から、つまりロン大通信からが本番である。 ------------------------------------

統計学について勉強を始めたのは1月にケンブリッジ英検CAEに合格したあとからである。
まず高校数学でわかる統計学ブルーバックス)を一通り読んだ。
よくわからなかったが、なんとなくぼんやりと統計学のイメージを持った感じだ。
今、読んだ内容で真っ先に思い出すのはガウス積分の証明。
一通り勉強した今のタイミングで読んだら面白いだろう。近いうちにもう一度最初から読み直そうと思う。

高校数学でわかる~を読んでいる途中で確率について再確認する必要があったので一時中断して数学読本4を読んだ。
数学読本は故 松坂和夫先生の著作で、日本の高校数学をカバーしており、数学読本1~6まである。
高校数学から勉強し直したい人は、数学読本1~5を使うと良いと思う。
高校レベルの確率については、数学読本4の15章(場合の数)と16章(確率)を読んで練習問題をやれば完璧。
数学読本6は一次変換、数論、集合論などが収録してあり、高校から大学への橋渡しとして名著である。確率分布に関する記載もあるから読んだが、これはほんの紹介程度である。


高校数学でわかる~を読み終えた後、統計学入門(東大教養学部)を買った。とりあえず30ページぐらい読んだ。ヒストグラムや平均の種類の説明である。ああ、まずこういうことから勉強するんだなと思った。
これ以後この本は読んでない。
ちなみに本屋に買いに行ったとき、「統計検定」と名の付く本が視界に入った。そのときは、なんだそりゃ?と思っただけ。

ここまでが5月頃までの話である。
7月からロン大通信の勉強(まずは線形代数)の勉強を開始し、8月からSGで統計学の勉強に入った。
ここからが本当の勉強となる。

SGの記載内容は抽象的でわかりにくい箇所が結構あった。読んで全くわからない場合には、指定参考書であるStatistics for Business and Economicsに目を通した。初期の段階では、確か層化抽出法や不偏推定量の概念がわからなくて読んだ。
読んでわからなくても、SGの章末問題をやって、講義ビデオの解説を見ればだいたいのことは理解できた。

このSG、ベイズの定理の説明が素晴らしい。サンプル空間などのイラストを多用し、わかりやすく説明してある。
ちなみに統計検定2級で持ち帰った問題冊子を見てみると、計算する前にまずイラストを描いていたようだ。(よく覚えてない)
もちろん結果は正解だった。

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あくまで練習問題をやることが重要で、わからない内容をちんたら読んでいても時間の無駄である。
気合いを入れて読むスピードを上げるために、何か中間地点の目標をスケジュールに組み込みたいと思っていたところ、「統計検定」という名前を思い出した。インターネットで調べる。次回の試験は11月29日。
まずはホームページ上で試験範囲を大まかに確認した。SGは全部やる必要がある。
受けようかと考え出したときには9月に入っていたので迷った。日数が足りないし、統計学だけ勉強しているわけではない.....だが、とりあえずやってみようと駄目元で申し込んだ。
直近の目標は11/29までにSGを終わらすこと。
ここから、勉強ペースを2倍速以上にした。

SGで重回帰分析まで一通り勉強を終えたのは試験の一週間前。
急いでやったからヘトヘト。

残り一週間、ここからが試験対策である。
過去問に取り掛かる前に、復習、および専門用語の日本語訳を確認するために統計学基礎(統計検定主催団体から刊行)を読んだ。この本の悪評については有名だからここでは触れない。
ロン大通信がカバーしてない内容は完全スルー。
その後、過去問に取り掛かった。
自分の偉いところは、2011年の過去問のためだけに、2011~2013の問題集を買ったことだ。
過去問は1日1回分のみやり、間違えた箇所を確認する以外の勉強は一切しないようにした。かなり疲弊していたから。
繰り返すが、ロン大通信がカバーしてない内容は完全スルー。
過去問の正解率は以下の通り。

2011: 20%
2012: 50%
2013: 64%
2014/6: 92%
2014/11: 82%


今回の試験は70%を下回った。2014年に比べると、自分が勉強していない箇所を狙い打ちされた感じだ。

11/29以降は何も勉強してない。

【今後について】
まずは5 or 6月予定のロン大期末試験である。もちろんマークシートではない。
例えば統計検定2級では各種分布の期待値と分散は暗記しとけば良かったが、期末試験では証明問題が出る可能性がある。また、統計の計画について回答することもあり得る。その場合、もちろん正解などない。採点者を納得させる論述をしなければならない。
ロンドン大学通信についても、過去問をたくさんやって理解を深めていくつもりだ。
だがその前にまず、高校数学でわかる~を読み直そうと思う。

ロン大通信では今後も別の科目で分布、推定に関して統計学に深く入り込む。それから、計量経済学も履修予定だ。
その流れでもし統計検定準1級や1級を狙えそうなら受けてみるつもりである。

断っておくが自分は資格マニアではない。